「画中画」。絵の中にもう一つの絵などを描くことで、作品に膨らみを持たせる手法ですが、自画像を描く自分の手を描くという構造で、鑑賞者に一層不思議な感覚を味わわせることに成功しているのではないでしょうか。さらに、マスクを描くことで、現在の閉塞された状況への自分なりの気持ちを表現するという、「私の感情を描く」という制作意図がとてもよく伝わってきます。(初田)